NTM / NONTUBERCULOUS MYCOBACTERIAL DISEASE
福岡市早良区の肺NTM症・肺MAC症の診療
健診の胸部X線で異常を指摘された、胸部CTで「肺MAC症」「非結核性抗酸菌症疑い」と言われた。
長引く咳・痰、血痰、気管支拡張症をきっかけに、肺NTM症の評価が必要になることがあります。
肺NTM症は、すぐに治療を始める方もいれば、慎重に経過観察する方がよい場合もあります。
当院では、疑い段階の初期評価から専門病院への橋渡し、診断後の安定期フォローまで、呼吸器専門医として必要な連携を重視しています。
疑い段階の初期評価
健診異常、長引く咳や痰、過去の画像所見を確認し、必要に応じて胸部X線、採血、喀痰検査などを検討します。
専門病院への橋渡し
胸部CT、菌種同定、薬剤感受性、気管支鏡検査などが必要な場合は、呼吸器専門病院へ紹介します。
診断後の安定期フォロー
専門病院で診断・治療方針が決まった後、安定している方は病院と連携して一部フォローできる場合があります。
当院では胸部CT検査や気管支鏡検査は行っていません。
そのため、肺NTM症が疑われる場合には、必要な検査が受けられる専門病院へ適切に紹介します。
一方で、専門病院で診断や治療方針が決まった後、状態が安定している方については、
症状確認、胸部X線、採血、副作用確認などを通じて、慢性期の通院を支えられる場合があります。
非結核性抗酸菌症(肺NTM症)とは
非結核性抗酸菌症とは、結核菌やらい菌以外の抗酸菌によって起こる感染症です。
肺に病変をつくるものを、肺非結核性抗酸菌症、または肺NTM症と呼びます。
外来では、「結核菌のいとこのような菌による慢性の肺感染症です」と説明することがあります。
名前は結核に似ていますが、結核とは異なり、通常は人から人へうつる病気ではありません。
多くは水まわり、土壌、ほこりなど環境中にいる菌を吸い込むことで感染すると考えられています。
原因菌としては、Mycobacterium avium、Mycobacterium intracellulare などを含むMAC菌が多く、肺MAC症と呼ばれることがあります。
慢性の呼吸器疾患です
咳や痰、血痰、胸部画像異常などをきっかけに見つかることがあります。
ゆっくり進行することもあります。
通常は人にうつりません
結核とは異なり、通常は人から人へうつる病気ではありません。
過度に周囲への感染を心配する必要はありません。
治療するかは個別判断です
診断されたら必ずすぐ治療、ではありません。
症状、画像所見、菌の種類、進行速度を見ながら判断します。
健康診断の胸部レントゲンで「非結核性抗酸菌症の疑い」と言われたら
健康診断の胸部X線で、肺NTM症や気管支拡張症を疑う陰影を指摘されることがあります。
ただし、胸部X線だけで肺NTM症と診断することはできません。
まずは過去画像との比較、症状の有無、胸部X線の再確認を行い、必要に応じて胸部CT検査が可能な医療機関へ紹介します。
紹介状を作成することで、専門病院での精査につなげやすくなります。
当院の役割
「いきなり大きな病院に行くべきか迷う」という段階で、呼吸器専門医として初期評価を行い、
必要な検査へつなぐことが当院の役割です。
肺MAC症と非結核性抗酸菌症(肺NTM症)の違い
肺NTM症は、非結核性抗酸菌による肺の感染症全体を指す言葉です。
その中でも、MAC菌によるものを肺MAC症と呼びます。
実際の診療では、肺NTM症の中で肺MAC症が多くみられます。
そのほか、M. kansasii、M. abscessus などもあり、菌の種類によって治療方針や経過が異なります。
肺MAC症は、比較的痩せ型の中高年女性にみられることがあります。
一方で、男性や体格のよい方、COPD・気管支拡張症など肺の病気がある方にも発症するため、
体型や性別だけで判断することはできません。
肺NTM症
非結核性抗酸菌による肺感染症の総称です。
MAC菌以外の菌種も含みます。
肺MAC症
肺NTM症のうち、MAC菌が原因となるものです。
日本では比較的多くみられます。
このような方は受診をご検討ください
健診・画像異常
- 健康診断の胸部X線で異常を指摘された
- 胸部CTで「非結核性抗酸菌症疑い」と言われた
- 胸部CTで「肺MAC症疑い」と言われた
- 気管支拡張症を指摘されたことがある
- 過去の画像と比べて陰影が変化していると言われた
症状・慢性期フォロー
- 咳や痰が長引いている
- 血痰が出たことがある
- 痰がからみやすい状態が続いている
- 以前に肺NTM症と診断され、定期的な診療先を検討している
- 専門病院で診断され、普段の通院先を検討している
- 治療薬の副作用確認や採血フォローが必要である
症状が強い場合は早めの評価が必要です
発熱、強い息切れ、血痰の増悪、体重減少が進む場合、
空洞病変を指摘されている場合などは、より詳しい検査や病院での評価が必要になることがあります。
診断にはCT検査と菌の確認が重要です
非結核性抗酸菌症は、胸部X線だけで確定診断する病気ではありません。
胸部CT、特に高分解能CTで、気管支拡張、粒状影、分枝状陰影、空洞影などを確認し、
さらに喀痰や気管支鏡検体から抗酸菌が培養されることを確認します。
一般に、異なる喀痰検体で2回以上培養陽性となること、
または気管支洗浄液や肺胞洗浄液で培養陽性となることなどが診断に重要です。
これは、非結核性抗酸菌が環境中にも存在し、1回だけ検出された場合には
病気の原因と断定できないことがあるためです。
画像評価
- 胸部CT
- 高分解能CT
- 気管支拡張の有無
- 粒状影・分枝状陰影
- 空洞病変の有無
- 過去画像との比較
菌の確認
- 喀痰抗酸菌検査
- 抗酸菌培養
- 菌種同定
- 薬剤感受性検査
- 必要時の気管支鏡検査
- 複数回の検体確認
当院では胸部CTや気管支鏡検査は行っていません。
肺NTM症が疑われる場合には、胸部CT、菌種同定、薬剤感受性、必要時の気管支鏡検査などを含めた総合評価が必要になるため、
呼吸器専門病院へ紹介することを基本としています。
経過観察と治療について
肺NTM症は、診断されたら必ずすぐに治療を開始する病気ではありません。
症状、画像所見、菌種、菌量、進行速度、年齢、体力、合併症、薬剤副作用のリスクなどを総合して、
治療開始のタイミングを判断します。
病状が軽く安定している方では、定期的な画像検査や喀痰検査、症状確認を行いながら経過観察となることがあります。
一方で、空洞病変がある場合、血痰を繰り返す場合、画像が進行している場合、
体重減少や強い症状がある場合などでは、治療が検討されます。
治療が必要な場合は、クラリスロマイシンまたはアジスロマイシンを中心に、
リファンピシン、エタンブトールなどを組み合わせ、年単位で服薬が必要になることがあります。
そのため、治療を始めるかどうかは慎重に判断します。
経過観察となる場合
症状が軽く、画像の進行が乏しい場合は、すぐ治療せず慎重に経過をみることがあります。
治療を検討する場合
症状が強い、画像が進行する、空洞病変がある、血痰を繰り返す場合などでは治療を検討します。
年単位の治療になることがあります
複数の抗菌薬を長期間使用することがあり、副作用や薬の飲み合わせの確認も重要です。
当院と専門病院の連携フロー
肺NTM症では、診断や治療導入は専門病院で行い、安定期の一部フォローを地域の呼吸器内科で担う形が適している場合があります。
当院では、無理に当院だけで完結させるのではなく、必要な検査と治療へつなぐことを重視しています。
1. 当院で初期評価
健診結果、症状、過去画像、お薬手帳を確認し、胸部X線や採血などを必要に応じて行います。
2. 専門病院で精査・診断
胸部CT、喀痰培養、菌種同定、薬剤感受性、必要時の気管支鏡検査などで診断と治療方針を決めます。
3. 安定期は連携フォロー
診断・治療方針が明確で病状が安定している場合、専門病院と連携して定期通院を支えます。
専門病院での診断後の「定期通院・お薬の処方」でお困りの方へ
肺NTM症の診療では、診断や治療導入は専門病院で行い、病状が安定した後に地域の医療機関で一部フォローする形が現実的な場合があります。
大病院への通院が負担になっている方、専門病院から逆紹介を提案された方は、保険診療として対応可能か確認します。
当院で対応しやすいケース
- 専門病院で肺NTM症の診断が確定している
- 治療方針がすでに決まっている
- 病状が安定している
- 無治療で経過観察中である
- 定期的な症状確認、胸部X線、採血が中心である
- 専門病院と連携しながら通院できる状態である
専門病院での管理を優先するケース
- 治療開始直後で副作用リスクが高い
- 空洞病変がある
- 血痰を繰り返している
- 画像所見が進行している
- 薬剤耐性や治療困難例が疑われる
- 注射薬や吸入アミカシン製剤などの専門治療が必要である
当院での慢性期フォローは、いわゆる「何でも当院だけで診る」という意味ではありません。
専門病院と二人三脚で、必要時には再紹介しながら、安全に診療を継続することを基本としています。
専門病院との連携
非結核性抗酸菌症では、胸部CT、菌種同定、薬剤感受性、必要時の気管支鏡検査、
治療導入の判断、副作用管理など、専門的な評価が必要になることがあります。
当院では、診断確定や治療方針の決定が必要な場合、
近隣の呼吸器専門病院へ紹介します。
病院で診断や治療方針が決まった後、状態が安定している方については、
病院と連携しながら一部フォローを行える場合があります。
専門病院で行うこと
- 胸部CT・高分解能CT
- 気管支鏡検査
- 菌種同定
- 薬剤感受性検査
- 治療導入判断
- 重症例・空洞病変例の管理
- 注射薬や吸入アミカシン製剤を含む専門治療
当院で担える場合があること
- 症状確認
- 胸部X線
- 採血
- 薬剤副作用の確認
- 喀痰検査の検体提出
- 専門病院への再紹介判断
- 安定期の通院フォロー
治療薬の副作用確認も重要です
肺NTM症の治療では、複数の抗菌薬を長期間使用することがあります。
治療薬には副作用や薬剤相互作用があるため、定期的な診察、採血、症状確認が重要です。
視力・色覚への注意
エタンブトールを使用している場合、視力低下や色の見え方の変化に注意が必要です。
異常があれば早めの対応が必要です。
肝機能・体調変化
薬剤により肝機能障害、食欲低下、倦怠感、皮疹などが出ることがあります。
採血や問診で確認します。
薬の飲み合わせ
リファンピシンなどは他の薬に影響することがあります。
お薬手帳の確認が重要です。
副作用が疑われる場合や治療方針の変更が必要な場合には、専門病院と連携して対応します。
藤崎駅・西新駅から通いやすい呼吸器内科です
肺NTM症は、年単位で経過をみることがある疾患です。
大病院への通院が必要な時期もありますが、安定期には、通いやすい地域の医療機関で定期フォローを行えると負担が軽くなる場合があります。
当院は福岡市早良区高取、高取商店街内にあります。
藤崎駅・西新駅からアクセスしやすく、専門病院と連携しながら慢性期の通院を継続しやすい環境です。
早めに専門病院での評価が必要な症状
- 血痰が増えている
- 発熱が続く
- 咳や痰が急に悪化した
- 体重減少が進んでいる
- 強い倦怠感が続く
- 息切れが急に悪化した
- 胸部画像で空洞病変を指摘された
- 画像所見が短期間で進行していると言われた
このような場合は、肺NTM症の進行だけでなく、肺炎、肺癌、結核、気管支拡張症の悪化、
他の呼吸器疾患が関係していることもあります。
通常外来での経過観察ではなく、専門病院での詳しい評価が必要になることがあります。
受診時にお持ちいただきたいもの
画像・検査資料
- 健康診断の結果
- 胸部X線やCTの結果用紙
- 画像データが入ったCD-R
- 過去の喀痰検査や抗酸菌検査の結果
- 菌種同定や薬剤感受性検査の結果
治療・連携資料
- 紹介状
- お薬手帳
- 専門病院で作成された診療情報提供書
- 現在使用中の薬剤が分かるもの
- 治療中の方は副作用確認に関する検査結果
予約時のお願い
ネット予約をご利用の場合は、予約時の相談内容として「呼吸器の症状」をお選びください。
画像データや過去の検査結果があると、病状の経過や紹介の必要性を判断しやすくなります。
よくあるご質問
Q.非結核性抗酸菌症は人にうつりますか?
結核とは異なり、通常は人から人へうつる病気ではありません。
多くは水まわり、土壌、ほこりなど環境中の菌を吸い込むことで感染すると考えられています。
Q.胸部X線だけで診断できますか?
胸部X線で疑われることはありますが、診断には胸部CTでの評価と、喀痰などから菌を確認することが重要です。
1回だけ菌が出た場合には病気の原因と断定できないことがあります。
Q.当院でCT検査はできますか?
いいえ。当院では胸部CT検査は行っていません。
肺NTM症が疑われる場合や詳しい画像評価が必要な場合には、CT検査が可能な病院へ紹介します。
Q.喀痰検査はできますか?
喀痰検査の検体提出は可能です。
ただし、診断には複数回の検体確認、菌種同定、薬剤感受性、胸部CT所見などを総合する必要があるため、
疑いが強い場合は専門病院での評価を基本としています。
Q.診断されたらすぐ治療が必要ですか?
必ずしもすぐ治療が必要とは限りません。
症状、画像所見、菌種、病気の進行速度、副作用リスクなどを見ながら、
経過観察か治療かを専門的に判断します。
Q.治療はどのくらい続きますか?
治療が必要な場合は、複数の抗菌薬を組み合わせて年単位で服薬が必要になることがあります。
そのため、治療開始の判断や薬剤調整は慎重に行います。
Q.専門病院で診断された後の通院は可能ですか?
はい。専門病院で診断や治療方針が決まっており、病状が安定している場合には、
病院と連携しながら慢性期フォローを行える場合があります。
ただし、治療導入直後や病状悪化時には専門病院での管理を優先します。
Q.血痰が出た場合はどうすればよいですか?
少量でも血痰が出た場合は受診をご検討ください。
血痰が増える、繰り返す、息苦しさや発熱を伴う場合は、
病院での早急な評価が必要になることがあります。
院長より
非結核性抗酸菌症は、診断にも治療にも時間がかかる病気です。
すぐに治療を始めるべき方もいれば、慎重に経過を見る方がよい方もいます。
また、治療薬は長期間に及び、副作用や薬剤相互作用にも注意が必要です。
当院では、呼吸器専門医として、疑われる段階で適切な病院へつなぐこと、
そして診断後の慢性期には専門病院と連携しながら無理のないフォローを行うことを大切にしています。
健診やCTで指摘された方、過去に肺MAC症と診断された方は、検査結果や画像データをご持参ください。
NTM / RESPIRATORY FOLLOW-UP
肺NTM症・肺MAC症を指摘された方、長引く咳や痰が続く方へ
健診やCTで非結核性抗酸菌症・肺MAC症を疑われた方、過去に肺NTM症と診断された方は、
検査結果や画像データをご持参ください。
当院では胸部CTや気管支鏡検査は行っていません。
疑いがある段階では専門病院へ紹介し、診断後の安定期には病院と連携しながら慢性期フォローを支えます。
